産婦人科
ピル処方
■■■ピルについてのQ&A■■■
今話題の『低用量ピル』。婦人科医師の立場で詳しくご説明します。
Q:ピルって?
A:本来は錠剤(pill)の意味ですが、一般的には経口避妊薬のことを指します。
ピルは卵巣からつくられる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)とおなじ働きを持つホルモン剤の配合されたものです。
ピルの内服により、避妊効果の他に月経にかかわるさまざまなトラブルを解消することができます。
Q:低用量ピルって?
A:卵巣からつくられる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストゲン)の配合された経口避妊薬です。
血栓症といったピルの副作用は、主にエストロゲンの量に関係があるといわれエストロゲン量を減らす試みがなされてきました。
1錠中に含まれるエストロゲン量が50
以下のものを低用量ピルとしていわれています。
Q:ピルにはどうして避妊効果があるの?
A:エストロゲンとプロゲステロンという本来卵巣から分泌されるホルモンを外から服用することで、脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)の働きが抑制されます。
そのため、卵胞が発育することなく排卵が起きないので避妊を可能にするのです。
また、子宮頸管の粘液の性状を変化させ、子宮の入り口の蓋をして精子の進入を妨げたりする働きもあります。
Q:妊娠したくなったらどうすればいいですか?
A:ピルの内服を中止すれば妊娠は可能です。服用を止めることによって抑制されていた下垂体は働き始め卵巣を刺激し排卵が起きるようになってきます。
もし、月経周期が回復しないような場合は医師にご相談下さい。
Q:避妊以外の効果を教えてください
A:ホルモンバランスの乱れによって起こるといわれている月経前緊張症・月経困難症(月経痛の激しいもの)・月経不順、月経過多などの改善、その他に子宮内内膜症・子宮筋腫の予防や不妊症予防、卵巣癌・子宮体癌にも予防効果があるといわれております。
さらに、ある種のピルにはにきびや多毛などの男性化症状の改善がみられるといった報告もあります。
Q:ピルの副作用は?
A:低用量ピルは1錠中に含まれるホルモン量が少なくなっているため副作用が少ないのですが、服用開始時は吐き気、めまい、頭痛、乳房の張り、不正出血などを訴えることがあります。
これは今までのホルモン環境が違ってくるために一過的に起きるので、これら症状は、ほとんどが二、三周期服用を続けると消失します。症状が続く場合には、他のピルに変更する必要があります。
体重増加については、服用開始時に増加することがありますが、一年くらいの期間で観察するとほとんど変化がありません。
心臓、血管系の副作用として静脈血栓症がありますが、白人と比較すると日本人ではタバコの害と比較すると無視できる程度ですが、血栓症をおこしやすいリスクのある方は注意が必要です。
例えば、ご家族に血栓症の既往がある人などです。
また、ピル服用中の喫煙は静脈血栓症の発生頻度を増大させます。
35歳以上の方は禁煙が必須です。それ以下の方も本数を減らし、禁煙にしていくほうがよいでしょう。
Q:ピルを内服したいのですが?
A:ピルは薬局では買えません。医師の処方箋が必要です。
通常内服開始時には、以下のような検査が必要となります。
(1)採血(貧血、血小板、肝機能、総コレステロール、中性脂肪など)
(2)超音波で子宮、卵巣のチェック
(3)子宮頚癌検査、
(4)性感染症検査(淋菌、クラミジア、カンジダなど)
ピルの内服を開始された場合採血、子宮頚癌検査、乳がん検査は定期的に必要です。
Q:ピルを内服するときに気をつけることは?
A:35歳以上の方は禁煙、35歳以下の方も本数を減らし、いずれは絶煙することが望ましいです。
また、性感染症を防ぐことができません。カンジダ、クラミジア、淋病、肝炎、エイズなどの性感染症予防にはコンドームの使用が重要です。
Q:飲み忘れたときは?
A:24時間以内であれば、その時点ですぐに1錠内服して下さい。
次のピルは通常通りに内服して下さい。
24~48時間内であれば、その時点で2錠内服して下さい。
2日以上経過していれば服用を中止し、飲み忘れを含め7日間休薬をおいて新しいシートのピルを服用するようにしましょう。
また、24時間以上開けてしまいますと不正出血が起きてくることが予測されますので、その場合も服用を中止し7日間の休薬後新しいピルを服用するようにします。
いずれにしても飲み忘れた時期により対応が少し異なってきますので、医師に必ずご相談下さい。
A:NET成分(黄体ホルモン剤ノルエステロン)を使用したピルを第一世代ピル、LNG成分(黄体ホルモン剤ノルゲストレル)のピルを第二世代ピル、DSG(デソゲストレル)やGSD成分(ゲストデン)のピルを第三世代ピルとして区別されて呼ばれるようになっています。
当院では、第一世代、第二世代、第三世代の中から患者さんの症状にあったピルをおすすめしています。
ピルが始めて誕生したのが1960年です。 およそ半世紀が過ぎています。そのピルの歴史には副作用との戦いが刻み込まれているといえましょう。 最初のピルは「エナビッド10」というもので使用されている黄体ホルモン剤はノルエステロン(NET) 系という成分でした。 このときの卵胞ホルモン(EE)量は50~150と中高用量のピルといわれています。 この頃に問題になった副作用はピルの服用による血栓症の問題がありました。 この問題を回避するためにピルに含まれるEE量を50以下にという勧告がだされたのです。 今までのNETとEEの組み合わせですと、不正出血が多くなるという問題がでてきたのです。 そのためにはより強力な黄体ホルモン剤、ノルゲストレル(LNG) という成分に代えることで問題は解消され、低用量ピルへと生まれ変わり急速に普及してきたのです。 1970年代半ばになると「ピル、喫煙と心筋梗塞による死亡」という心循環器系の副作用が起きてきたのです。 これはLNGによる男性化作用によって脂質代謝に影響を及ぼすことが知られるようになり、その対策としてLNGの量を少なくするために1服用周期の最初にLNG量を減らして後半に増やしていくという段階型ピルが誕生したのです。 一方では、デソゲストレル(DSG)やゲストデン(GSD)という男性化作用の少ない黄体ホルモン剤が開発され使用され始めたのです。より天然に近い成分へと変身してきたのです。 このピルの出現により一層、ピルは普及してきました。 NET成分を使用したピルを第一世代ピル、LNG成分のピルを第二世代ピル、DSGやGSD成分のピルを第三世代ピルとして区別されて呼ばれるようになってきたのです。


